脚本 オム・ソンミンは語る
この映画は実際のIMF(国際通貨基金)と韓国政府の交渉当時、 非公開で運営された対策チームがあったという記事から始まった物語だ。 韓国人にはとても大きな事件だったが、 未だによく知られていないIMFとの交渉がどのように行われて、 どういう意味を持っていたかに関する話を語りたかった。 国家の危機的状況の中で、解決のために全面的に前に出た人物の物語を通じて、 今、私たちに必要なことは何かという質問を投げかけたかった。 韓国の通貨危機(IMF経済危機)が起きてからいつのまにか21年が過ぎた。 韓国人の人生を大いに変えてしまう結果をもたらした事件を、多くの世代が共に経験した。 1997年の記憶は、年代によって異なるため、 すべての世代が一緒に見て話し合うことのできる映画になることを願う。
本作はどこまでが実話なのでしょうか?
対策チームがあったということと、97年経済危機の前後の状況までは実話をもとにしています。
それぞれの役柄に参考とした実在の人物がいるのでしょうか?
実際の人物を参考にしたということはありませんでした。キム・ヘスさん演じるハン・シヒョンというキャラクターの場合は“こんな人がいたらどれほど良かっただろうか”という気持ちで造った人物です。 ユ・アインさん演じるユン・ジョンハクというキャラクターは危機を対処する人物として考えて書きました。ホ・ジュノさん演じるガプスは当時とても大変な思いをした方々の姿を合わせて一つのキャラクターとして書きました。
IMFとの交渉など、政府の裏側を際どく描いていますが、リサーチはどのように行ったのでしょうか?
経済危機以後に発刊された本と報告書、そしてIMF聴聞会の資料を読み研究しました。また、当時実際に苦労された方々にもお会いし、経験談などを聞き参考にしました。 なぜ今このような作品を作ろうと思ったのでしょうか? 私たちに必要な一人の人間の物語を書いてみたいと思いました。たとえその人物が敗北したとしてもです。 全てにおいて“問題ない”と言う時はだいたいが“問題がある”ということです。自分に与えられた闘いから逃げなかった、一人の人物の物語を97年の経済危機に合わせて書いてみたかったのです。
製作する上で何か障害になったことはありましたでしょうか?
ありません。ただし、IMF経済危機は全国民の傷なので気をつけるように心がけました。
韓国での公開時の反応はいかがでしたか?
観客の皆さんが“自分の話”として受け止めてくださっていることに驚きました。その時代に経験した苦労と自分や自分の家族が受けた影響を話す姿を見て97年の傷がまだ癒えていないのだと感じました。
脚本家として影響を受けた作家やクリエイターはいますか?
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の脚本家ジョシュ・シンガー、『マネーボール』などの脚本家アーロン・ソーキン、映画監督兼脚本家のトニー・ギルロイが好きです。
この映画で観客に何を伝えようと思いましたか?
まだ多くの韓国国民が97年の自分の選択によって事業に失敗したり、家庭が上手くいかなくなったと考えています。その当時の各自の選択が間違っていたからではなく、国のシステムに問題があったので、それはあなたのせいじゃないというメッセージが励ましになればと思います。
日本で公開されることについてどう思われますか? 日本の観客にこの映画のどのような部分を見てほしいと思いますか?
危機は国に関係なくやって来るものです。97年の韓国の話ということではなく、危機に対処する人々の姿を日本の方にも観ていただけたら嬉しいです。